朝、音楽が窓の外から流れてきた。

なんの曲だったのだろう。窓の外から奏でられるメロディは、とても優しかった。初めての経験で、どうしていいのかわからなかったが、日本のお正月の門付芸「春駒」を思い出した。どうやってお金を渡そうかと考えていたら、下の階の住人たちが、ベランダからお金を投げていた。みんな口々に「ありがとう」とか、「おはよう」とか、声をかけながら。お金を投げるのは、失礼なことだと思ったので、ドキドキしながら、人生ではじめてお金を投げた。暫くの間、私のアパートの下で奏でてくれていた。

ドイツの街を歩くと、このような芸能とよく出会う。ホッとする。必要としている人がいるということも、なんだか、とても嬉しい。