チューリップが街中に

スーパーに行くと1.9ユーロ(約280円)で10本束になったチューリップが売っていました。さっそく部屋のあちこちに飾りました。

以前、尊敬する先輩が、好きな句として「咲ききって薔薇の形を超えけるも」を紹介してくれました。私は、花が咲ききる姿が好きです。思う存分、生きたんだなぁとホレボレします。

この2月に、研究所の近くに転居しました。引越しをしていたとき、重い荷物を持ってくれた上階の青年が、片付けが落ち着いた頃、チョコレートとチューリップの花を持って来てくれました。会話をしたかったのですが、私はドイツ語が話せず、青年は英語が出来ませんでした。ただ、わかったことは青年が「ロマ」だということです。

自分の胸を指差し「ロマ」「ロマ」といい、私が「シンティorロマ?」と再確認すると「ロマ」といいました。ナチスドイツによって人体実験をされ、民族抹殺のために虐殺された歴史を持ちます。ロマの扱いは、ユダヤ人以上に酷いものでした。それでも、生き残って、次の世代にバトンを渡せた人の子どもが、目の前にいる青年なんだと思うと言葉になりませんでした。

ハグをして別れましたが、私は青年の名前も知りません。

あれ以来すれ違うこともありませんでした。きっと引っ越しをしたのかもしれません。

金子マーチンさんが、ロマに関する本を沢山書いています。どの本も読みやすいです。

「ジプシー収容所」の記憶―ロマ民族とホロコースト (岩波書店)

 ロマ 「ジプシー」と呼ばないで 単行本 (影書房)